第2章 初夜
たくさんあるユカタの中で私が選んだのは、黒地に赤い花が描かれているものだ。帯には黄色。ユカタを選んだら、着付けも店員がやってくれた。
「この服って凄いんだな…こうやって着るんだ」
「ユカタは初めてですか?」
「あァ、いつもは動きやすい服装だから、こんなに自由が効かない服は初めてだ」
「それは貴重な体験ですね!じゃあ、1人でも着替えれる方法をここにメモしてあるので、渡しますね。あ、これ、先ほど着ていた服です」
着付けが終わり、メモと服が入った紙袋を受け取った。これで一人でも着替えれる。帰ったらイッカクさんにも見せてあげたいな…。
「キャプテン」
俯いていたキャプテンを呼んでこちらを向かせた。
「…どう?」
「…可愛い」
初めて言われた言葉に、少し照れた。キャプテンも口元を抑えている。あー、なんだか恥ずかしい…。