第1章 好き
「キャプテン?!」
イッカクさんが、キャプテンが倒れたと言った時、ビックリしてすぐに治療室に来た。
「オトハか、少し静かにな。今は寝ている」
「キャプテンに何が…?」
寝息をたてながら、安らかに眠るキャプテンの腕には点滴が打たれていた。ペンギンもこれぐらいは出来るらしい。
「…たぶん、知恵熱」
「は?」
知恵熱…?
「さっきまで少し話していたが、まぁ、この話はオトハとキャプテンの2人で話した方がいい。おれは席を外す」
ペンギンは部屋を出た。足音がしないあたり、治療室の前で人払いをするつもりだ。そういうところがかっこいいんだよな、と思う。
キャプテンが寝るベッドの側の椅子に腰かけて、点滴の種類を見てみた。この種類は解熱剤が含まれているものだ。外科医が知恵熱なんて、本当に笑える話だな、とフフっと笑う。
「何笑ってんだてめェは」
「うわっ、起きてたんか?!」
「今起きた」