第1章 好き
「外科医が知恵熱ってな」
「ククク…まぁ、な」
「で、ペンギンがなんか2人で話せって言ってたけど」
「あァ…」
キャプテンは額に当てていた手をどけて、私の顔を見る。あー、なんでこの人はこんなにイケメンなんだ、とドキドキする。
「…オトハ、おれはお前が好きだ」
「…は?え?」
「ガキん時のような、あんな感情じゃねェ。お前をちゃんと女として、おれの女になって欲しいって意味だ」
キャプテンはそのまま続けた。
「でも、俺のことを師匠や兄として見ているんなら、この話は無かったことにしろ」
「ちょ、まっ…」
「いつでもいい、また返事を聞かせろ」
何を言われてるんだ、頭がキャプテンの言葉に追いつかない。
好き?女として??嬉しいを通りすぎて、何を言えばいいかわからない。
「まっ…て…キャプテン…」
涙があふれでた。あー、こういう時ってなんて言えばいいんだ。わからねェ。
「おい、泣くほど嫌だったか?…悪ィ、やっぱりこの話は…」
「私も…、私も、好きなんだ!」
キャプテンの顔を見れなくて、ベッドに突っ伏す。
「キャプテンが、私を好きになってるとは思ってなくて…、私の事、異性として見てなくて、もしこの思いを打ち明けたら、私…、この船から降ろされるかもって思ってたんだ…!」
だから…本当に嬉しいと言う。涙が止まらんくて、まだうつ伏せていると、私の頭にキャプテンの手が乗せられた。
「…んだよ、もっと早く言えば良かったじゃねェか。悩む事なんて何もなかったんだな」
キャプテンは腕の点滴を抜いた。顔を上げた私の頬に手を回す。
「おれの女になってくれるか?」
「…喜んで!」
キャプテンは私のおでこにキスを落とした