第6章 乗せられて
「...続きは、帰ってからするから、覚悟しといて」
もう途中で止めてあげられる自信なんてない。
「分かった」
「あと、そのイッた感覚忘れないでね」
「.....うん」
「じゃあ服着て。
練習戻るから」
「分かった。
向こう向いてて」
「はいはい」
いくら黒尾さんが事情を知っているとはいえ、あまり長い間居ないのも変に思われる。
「出来たよ」
波瑠と並び、元居た体育館へ向かう。
チラリと横目で様子を伺えば、さっきまであんなに乱れていたのに今はケロリとしている。
切り替えが早い。
「おっ、ツッキーと波瑠はっけーん!
早速バレーしようぜ!」
「あらー?
案外早かったのね、どうだった?
ツッキーってもしかして早漏?」
黒尾さんが小さな声で尋ねる。
「違います」
「ふーん、あっそ」
「なぁー、始めようぜー」
木兎さんの声に遮られ、練習に加わる。