第4章 スペシャルメニュー
「あー、おい。
バレーはまだダメだ」
「えーっ、なんでっすかー。
ちょっとぐらい良いじゃん」
「ダメなものはダメだ」
きっぱりと否定された木兎さんは少しショボンとしていた。
「良いじゃん...ちょっとぐらい...。
バレー合宿なのにバレー出来ないなんて...そんなの.....」
しまった、と京治くんが手で目を覆い隠している。
他の梟谷の人も苦笑し、互いに目を合わせていた。
黒尾さんに至っては素知らぬ顔をして目線を合わせないようにしている。
“ 誰が励ます ”
皆、言いたいことは同じだ。
「木兎さん」
そんな中、進んで木兎さんに声を掛けた。
しょぼくれモードとは言っても、チラリと顔を向けてくれる。
しゃがみ込んでいる木兎さんと目線を合わせるように座ると、言葉を紡ぐ。
「監督達には監督達の考えがあるんですよ。
合宿中ずっとバレー禁止なんてことはないと思いますから、今だけ少し我慢しましょう?
我慢したあとのバレーはきっと、最高ですよ」