第4章 スペシャルメニュー
他のチームのスターターは京治くんと犬岡くん。
アンカーは木兎さんと黒尾さんだ。
「よし、大丈夫。
飛雄、行ってらっしゃい」
ポン、と背中を押す。
「あぁ」
「あ、どうも」
それぞれ走る順番に並ぶと、横を見て京治くんが気まずそうに言った。
「俺がぶっちぎるから、よろしくな!」
「俺っすよ!
俺がギュンって行きます!」
「まぁ、よろしくお願いします」
2人に気圧されて京治くんが敬語になっている。
「なーに?
チビちゃんがアンカー?
俺はてっきりお宅のキャプテンがアンカーなのかと思ったわ。
な、チビちゃん?」
「へ?あ、あの、それは...」
「黒尾ー、別にキャプテンとか良いだろそんなのー。
速ければアンカーに選ばれるんだからよ!」
日向はまた雰囲気に飲まれてしまっている。
「おーい、日向、飲まれない!
バレーもリレーもチームワークだろ?」
「あっす!
頑張ります!」
澤村先輩の一言で日向の顔に笑顔が戻る。