第4章 スペシャルメニュー
ケイドロが終わり、皆ドリンクを片手に身体を休める。
思っていた以上に体力の消耗が激しいようだ。
切れる息と、流れ出る汗がそれを物語っている。
今回のペナルティーは種類が豊富だった。
腕立て伏せ、上体起こし、反復横跳び、サーブ、レシーブ。
どれも基礎中の基礎だ。
それを30本単位でこなしていく。
「波瑠、マッサージ」
飛雄に呼ばれた。
「場所は?」
「脚」
「分かった。
ちょっと荷物持って来るから力抜いて座ってて」
「おう」
体育館の端に置いてあるスポーツバッグを持って来ると、しゃがみ込んだ。
「右?左?
それとも両方やっとく?」
「両方頼む」
「分かった。
まず右脚からやるね」
「おう」
水で濡らして来たタオルを右脚に宛てがい、クールダウンさせるのと同時に手を動かした。
「っ、て.....」
痛みで強張る飛雄を他所に、手を動かしていく。