第4章 スペシャルメニュー
ピーッ、という音でケイドロがスタートした。
スタートと同時に、ケイサツである2人が目をつけたのは蛍だった。
京治くんはチラリと横の木兎さんを視界に入れると、ターゲットを変えた。
はさみうちはしないと言ってたし、同じ人も狙わないのだろう。
それが特別今回のルールらしいし。
「へいへいへーい!
ツッキー!
大人しく捕まえられろー」
「やですよ」
楽しそうに笑う木兎さんから、ギョッとしながらも必死に逃げる蛍。
その間京治くんは飛雄を狙っていた。
流石は強豪校というべきか。
足腰がちゃんと出来ており、切り返しが上手い。
「つっかまえーたっ!」
「...」
「タッチ」
「ちっ...」
開始早々に蛍と飛雄が捕まった。
「へいへいへーいっ。
次いくぞ!チビちゃん!」
「お、俺!?」
木兎さんは宣言通り日向を狙う。
でも相手が相手。
スタミナと切り返しはきっと、ここに居る誰よりも上手い日向だ。
すぐには捕まらないだろう。