第4章 スペシャルメニュー
「あの子、赤葦のこと好きだったじゃん?」
「そうなんですか?」
「まぁね〜、てか波瑠ちゃん意外と鈍感〜」
そうかな。
「で、告白したらしいんだけど赤葦断ってさ。
それで気まずくなって辞めちゃったって訳」
「そうだったんですか」
「波瑠さん、少し良いですか?」
京治くんに声を掛けられた。
「あ、良いですよ。
すみません、失礼します」
「は〜い」
「行ってらっしゃい〜」
「...赤葦もだけど波瑠ちゃんも天然だね」
「ね〜。
あれで無自覚とか怖いわ〜。
自分に向けられる好意には気づかないってやつ〜?」
「京治くん、どうしたんですか?」
「あ、別に大したことじゃないんだけどね。
ロードワーク、いつも一緒に走ってるんですか?」
「まぁ」
「キツくないですか?」
「...楽ではないですよ。
でも、誰かがやらなきゃいけない役割ですから。
それなら進んでやります」
「...波瑠さんらしい」
と、クスリと笑った。