第3章 マメ
「そんな顔してた?」
「はい!」
「そっか。
別になんでもないよ?」
「...なんか波瑠さん少し変わりましたね」
「え、そう?」
「うん。
髪縛ってないからかな?
なんかちょっと違う」
顔をマジマジと見つめられる。
「そんなに見られると気まずいんだけど...」
「くーろーおーさーん!」
話を急に逸らした...。
「あ?
どうした?リエーフ」
「波瑠さんなんか変わりましたよね?」
手を引っ張り、皆の輪の中に連れて行かれる。
その時チラリと見えた蛍の目は、少し鋭かった気がする。
あくまでも気がするだけだから確証はないけど。
「変わったか?
俺には分からねーけど」
「えー、黒尾さん鈍感!」
「お前に言われるとは侵害だな、リエーフ。
ならどこが変わったっつーんだよ」
「えー?
なんか雰囲気が違くないですか?
優しいっていうか、甘いっていうか。
なんか甘い匂いするし」
クンクンと首筋の匂いを嗅ぐ。