第3章 マメ
「おっし、着いたぞ!」
烏養さんの声に皆段々と目を覚ます。
「波瑠、そろそろ起きなよ」
「ん...も少し」
目を開けることなく、呂律の回っていない声で言う。
「起きてないの、あと誰だ?」
「田中と柏木だべ」
「西谷ー、田中起こせ」
「はいっす、大地さん」
「おら、龍起きろ!」
「んぁ...もう着いたのか?ノヤっさん」
「あぁ!」
「月島ー、すまんが柏木起こしてくれ」
「あ、はい」
澤村さんに言われ、もう1度波瑠の身体を揺する。
「ん.....」
身体にすり寄る。
普段なら歓迎だけど、流石にここじゃね。
「そろそろ起きなってば」
「ん.....おはよ」
何度か揺すり、ようやくうっすらと目が開いた。
眠い目を擦りながら、周りを見回す。
「着いた...?」
「あぁ」
「そっか...起こしてくれてありがとう」