第2章 独占欲。
「良い。
僕が奢るから」
「え、いや、悪いから」
「良い。
何食べる?」
「...メロンパンと牛乳パン」
「買ってくるからちょっと待ってて」
「ありがとう」
お金はあとで払うから、と背中に告げる。
「買って来たよ」
「ありがとう」
「屋上行くけど、どうする?」
「それ聞くのは狡いと思う」
先を行く蛍を追いかける。
「屋上って開いてるの?」
「さぁ」
「さぁ、って...」
屋上のドアに前を立ち、ドアノブに手を掛ける。
ガチャリとネジが噛み合う音がし、光が見えた。
「開いてた」
「本当だ」
屋上に脚を踏み入れる。
外から見えないように死角になっている場所に腰を下ろす。
ちょうど日陰になっている。
「ここなら人の目気にする必要ないでしょ」
「...気にしてたの?」
「一応。
波瑠そういうの気にするでしょ」
「だって...照れるし」
「そういうと思った」
それぞれパンの封を開け、頬張る。