第2章 独占欲。
その後の朝練は無事に終わった。
澤村先輩や菅原先輩、縁下先輩のフォローのお陰だ。
「あの、澤村先輩、菅原先輩」
「どうした?柏木」
「ん?」
「ありがとうございました。
フォローしてくださって」
「気にすんなって、なぁ大地?」
「あぁ。
2人共部活に私情を持ち込まないってのは分かってるし、バレーに悪影響を及ぼさなければ構わないっての」
「そーそ。
でもびっくりしたよなぁ、2人が付き合ってたなんて。
月島に好きな奴が居るのは知ってたけど」
「確かにな。
まぁ月島もあいつらみたく言いふらしたりしないから、余計な。
何かあったら、遠慮なく言いなさいよ」
ポン、と澤村先輩の大きい手が頭の上に乗る。
「おーい、大地。
それ月島が見たら嫉妬するぞ?」
「あ、そうか?
悪い」
「いえ」
もう1度2人にお礼を言い、体育館をあとにする。