第8章 女王と月
口づけは段々と深いものに変わり、互いの舌を貪り合う。
「ん...ぅ...」
舌が絡まり、唾液が絡まり合い、離すのを惜しむかのように透明の糸が2人を繋いだ。
「キスだけで蕩けてる。
この先、持つの?」
「持たせる」
「そう、なら良いけど」
蛍の唇は耳に食む。
軟骨に舌を這わせ、食み、息を吹きかける。
「んぅ.....」
「ほんと耳、弱いよね」
耳に口づけたまま、その手は下に降りていく。
Tシャツの下から手が入り込み、下着をつけていなかったその膨らみに触れる。
「あれ、つけてないじゃん。
そんなにしたかった?」
「ちが...面倒だったから...」
「.....それ、僕の前だけにしてよね。
こんな無防備な状態で他の男の前に出ないでね」
「分かって...る」
指先で突起を摘むと、波瑠の言葉が一瞬途切れた。
耳に這わせていた舌を首筋へと降下させる。
少し舌か肌を這うだけでも身体を小さく震わせる。