第7章 初演練 *水無月*
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演練が始まるとすぐに、こちらの形勢は不利になった
「くそっ!!」
「随分ずるいことしますね」
「こんな事してまでわし達に勝ちたいがか?」
「へっ!!ダメ刀だからって舐めんなよ!!」
和泉守と鯰尾と陸奥守と不動は、相手の石切丸と蛍丸によって止められていた
「あぁ~あ、俺もあのお姉さんと遊びたかったな」
「仕方ないよ蛍丸さん、私達の役目は余分な奴らの足止めをすることなんだから」
優しい笑顔でそういう石切丸が、チラッと後ろを見ると彼らから少し離れたところで五虎退と冴姫が相手の他の4振りに囲まれていた
「こういういじめ方は初めてだな。」
「これも一つの和睦…なのでしょうか」
「ハハハ、楽しくなりそうだな」
「さぁ、まずはお前からだ」
と、三日月宗近が先に刀を向けたのは五虎退だった
かすかにふるえているが、そばにいる虎と共に強く相手を見ていた
「ぼ…僕がお姉さんを守ります!!」
「…やってみるがいい」
と、三日月宗近はそんな五虎退を嘲笑うように刀で五虎退を圧していく
「あぁぅ…ま、負けません!!」
「そうか」
ニヤリと笑った三日月宗近は、彼の頭上に刀を振り上げる
ガキンッ!!!
三日月宗近の振り上げた刀を冴姫が受け止めた
「おや、これはこれは随分とじゃじゃ馬な姫だな」
『ここの三日月宗近もあたしを姫っていうんですね。でも、あたしは姫じゃない!!!あたしは…』
「でも、君は所詮女だろ?」
三日月宗近と刀を交えていたら後ろにいた鶴丸国永がそう言った
『えっ…』
「刀剣であろうと、お前は所詮は女だ。そうだろ?」
彼女の目の前にいる三日月宗近も彼女に笑顔でそう告げる