第7章 初演練 *水無月*
「さぁ、私の部隊を紹介しようではないか」
相手の審神者さんの本丸内にある演練上の闘技場に案内された
審神者さんは、自分の部隊を呼ぶと彼の刀剣たちが現れた
すると、うちの刀剣たちと凛華の顔が強張った
なぜなら、相手の部隊は確実に勝つための部隊だったからだ
「俺は三日月宗近。俺がこちらの部隊だ、よろしくたのむ」
向こうの三日月宗近が兼さんに手を差し出す
怖い顔の兼さんはそれに応じる。あたしはそんな様子を見てからそっちの部隊を見る
太刀の三日月宗近、鶴丸国永、江雪左文字、鶯丸、大太刀の石切丸、蛍丸といういわゆるガチ勢
こちらには大太刀も太刀もいないのに・・・
「っは、そちらは随分負けるのが怖いようだな」
「勝たねばならぬからな、主の命だ。その刀剣女士はいただくぞ?」
『えっ?』
「やらねえよ、それじゃ楽しく訓練しようかね。俺等は今虫の居所が悪いんだよ」
兼さんがそういうと、うちの部隊のみんなが刀を構えた
相手もまた、大きな刀を構える
戦いの意図が明確じゃないあたしは、ゆっくりと刀を出す
相手を見ると、体が硬くなった
相手の刀剣男子達は、6振りともじっとあたしを見ている
その目がとても怖くて・・・
でも、五虎君がギュッと手を握ってくれた
「お姉さん、僕がいます!」
「サキ、ダメ刀でもお前だけは守ってやるからな」
「姐さん、俺だってカンストしてるんだからね。あんな相手すぐに片づけますよ!」
3人が言うと、少しだけ心が安らいだ
陸奥と兼さんもあたしを見てニっと笑う
そんな様子を、相手の三日月宗近が見て笑っていた
「あはは良い良い。あのように朗らかで愛らしい表情…実に崩して泣かせたくなる。必ず手に入れよう」