第7章 初演練 *水無月*
「冴姫、すまぬな。お前のそばにいることができず…」
『い…いえ、三日月さん…。大丈夫ですから…ちょっと離れて…』
「冴姫、俺もお前を守るために一緒に行きたいんだが…」
『鶴さ…だから近い…』
「姫…自分も」
『もぉ!!近いですったら!!』
そばに来たといえば聞こえがいいが、実際はあたしとの距離は10センチあるかないかくらいの距離に来た。主に三日月さんと鶴さんと明石さん・・・他の人たちももちろん心配してくれているけど、3人は別格だった
だが、そんな彼らを押しのけてあたしの目の前に来たのは蛍ちゃんだった
「お姉ちゃん、俺がいれば絶対お姉ちゃんにケガなんてさせないのに…」
『蛍ちゃん、大丈夫だよケガなんてしないから』
彼の頭をポンポン触ると、逆にその手をギュッと握ってきた
すると、蛍ちゃんは一緒に出陣するメンバーに目をやる
「もし、お姉ちゃんに何かあったら主が止めても俺がみんなを折るからね。本気の俺はすげえって、みんな知ってるよね?」
まさに敵を前にしているような目つきでいうものだから部隊のメンバー・・・特に五虎君が泣きそうになっていた。そんな蛍ちゃんを愛染君と明石さんが落ち着かせていると、正装の打刀2人が来た
あ・・・
「よぉしお前ら、演練だからって油断するなよ。俺が部隊長になったからには、絶対に完全勝利で戻るからな」
と、戦闘服を着こんだ兼さんと陸奥がやってきた
2人共普段よりもかっこよく見えてしまったためあたしは少し視線をそらした
それに気が付いたのか、陸奥があたしの顔を覗く