第1章 鍛刀完成 *卯月*
「はい、ここは刀剣達が寝る部屋。ここは特に大きい部屋だけど、ここは騒がしいから気を付けてね」
『騒がしい?』
「まぁとりあえズァアア!!?」
襖を開けようとした加州君の顔面に何かが飛んできた
それは、今まさに開けようとした襖を突き破って飛んできた毬だった。顔面を直撃した加州君はそのまま倒れてしまった
「わぁあ!!ごめんなさぁい!!」
毬が突き破った襖が開いて出てきたのは・・・アレ?
女の子・・・
『アレ…君』
「あぁ!!新しく来た人!!」
女の子のような子はあたしの手を取って部屋の中に入った
部屋の中には、小さな子供たちがたくさんいた
『あ…桜華切冴姫で…』
秋田「わぁ~!ホントに綺麗!!」
前田「お花のような香りがします。」
平野「見たことのない着物ですね!」
怒涛の勢いでしゃべってくる子供たちに右往左往していたら、彼らの中で一番大きなメガネ君が止めてくれた
「おい、初対面の相手に失礼だぞ。悪いなあんた、弟たちが失礼した」
『あ、大丈夫だよ。元気なことはいいことだから。』
「…俺は薬研藤四郎。俺達は粟田口の刀派なんだ。」
『桜華切冴姫。呼び方はなんでもいいよ』
そう言って周りにいる子達に言うと、各々呼び方を考え始めた。
五虎「なんだか、桜華切さんはお姉ちゃんって感じがします」
博多「それなら姉ちゃんと呼ぶべきやなかか?」
厚「桜華切姉ちゃん…じゃちょっと言いにくいな」
乱「冴姫姉ちゃんは?」
秋田「いいですね!!冴姫お姉さん!!」
おぉ・・・若い力は凄い・・・
すごく元気だ。・・・ふと見ると、一番最初にこの部屋に招き入れてくれた女の子みたいな子があたしのことをじっと見ていた