第6章 懐剣の苦難
「可愛い女の子が好きだから私は漫画家になったの!!自分で可愛い子を生み出せるという素晴らしいものだから!!」
『は…はぁ。じゃあ、なんで審神者になったの…?』
そう聞いた途端、主ちゃんも鳴狐さんもなぜか黙ってしまった
2人が目配せをして顔色を合わせているような素振りをしていて、それから主ちゃんはあたしにニコッと笑った
「あたしね、昔一緒に審神者やろうって言ってた友達がいたの。その友達は亡くなったんだけどね、その子のためにちゃんと審神者続けようって決めたの。…でも」
『でも…?』
「…刀は好きだけど男がどうしてもダメでぇ!!刀集めて顕現すればするほど男増えるし!!もぉ!!」
今にも原稿用紙を放り投げて暴れそうになった主ちゃんを抑えてさらに話を聞いていく
「…そんで、政府に頼み込んで刀剣女士の顕現を特別に許されたってこと。つまり冴姫はめっちゃ特例中の特例で顕現された唯一の刀剣女士ってこと。決して男共の性の捌け口にしようなんて考えてないからね。…まぁ、多少は恋愛模様を漫画に生かさせてもらおうと思ってたけど」
と言って笑っているけど、でもなんだかあたしの中には違和感が残った。
「ちなみになんだけどさ…冴姫さ、ヤってないのはいいんだけどさ、ここの刀剣男士の中でだれが一番好み?」
『…はぁ?』
「いやヤってないならないでいいからさ、誰が一番タイプかだけ教えてよ!!」
お願い!!って手を合わせてくるから、あたしは誰かしら答えようと考えた
三日月さんや鶴さんは・・・決して嫌いじゃない。他の人達もすごくいい人で・・・でも、一番に顔が浮かんだのは・・・