第6章 懐剣の苦難
『なっ!?急に何言いだすのさ!!』
「だって、ここに来てもう一月でしょ?1人か2人とやってるでしょ?体験談をもとにしようと思って聞いてみた」
あまりにシレっとした顔で聞くものだから、あたしは思わず黒い筆ペンを落としそうになった。
『や…やってないよ!!』
「えぇ~、みんなこんな可愛い冴姫に対して欲情しないの?ねぇ、鳴狐はどう思う?」
「ぇ…?」
「鳴狐は、桜華切殿の事はかなり気に入っているご様子でございまするぞ。もっと親しくなりたいと粟田口の皆様ともお話しなさっておりますし…」
驚きすぎて言葉が出なかった本人に代わって狐さんの方が言ってしまったため本人はとても慌てていた
「仲良くか~。みんな友達どまりなのかな…」
『主ちゃん…こそ、誰かとそういうのないの?』
「私ぃ?あるわけないじゃん。あたしは男が嫌いなんだもん。好きなものは可愛い女の子と刀。」
そう言う主ちゃんは、とあたしを指さして言う
その言葉にちょっと鳴狐さんが傷ついてそうなのは置いておいてあたしはさらに主ちゃんに聞いてみた
『・・・!?凛華まさか!!あたしの事そういうことのために顕現したんじゃないよね!?』
「うーん、3割はそのつもりかな」
『凛華!!』
「アハハ、冗談冗談」
と笑っているけど、あたしは何とも言えない気持ちになった
「冴姫を顕現した理由はね…」
『理由は…?』
「…可愛い女の子が欲しかったからだよ!!」
『え…?』
凛華が涙目になってそんなことを言い始めた
しかも今までになく大きな声で・・・