第6章 懐剣の苦難
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『失礼しまーす』「…失礼します」「失礼いたしまする!!」
主ちゃんの部屋に鳴狐さんとやって来て部屋に入ると、前入った時よりもひどい有様だった。
『あ…主ちゃ~ん?』
「ぁ…鳴狐、冴姫…」
紙に埋もれている髪の毛ボサボサの主ちゃんを救出して部屋に置かれている机に座った。
「んじゃ…鳴狐はいつも通り背景をお願い…。冴姫はとりあえずこのマークの所を黒く塗りつぶして…」
『あ…うん。…凛華大丈夫?』
「うん…今3徹してるんだよね…」
目の下をこすりながらペンを動かす凛華を見ていると、紙にどんどん絵が生まれていく
「あるじさまはさすがお美しい絵をお書きになりますな」
「あぁ、今は恋愛ものの濡れ場だからね。ちょっといつもより時間かかってるの…」
『…ッ!?』
濡れ場・・・そう聞くと、昨日のことを嫌でも思い出してしまう。主ちゃんは、誰かと夜伽みたいなことをしたりしているのか・・・
『ねぇ主ちゃ…』
「そいや冴姫さ、もう誰かとヤった?」
『はぁ!?』
主ちゃんがそう言うものだから、あたしも鳴狐さんもすごく驚いた。いつも表情を見せない本人の方も表情に出して驚いていた