第5章 姫の初夜
『ふぃ~…さっぱり』
個室風呂から出て、寝る用の浴衣に着替えて自室に戻る
洋広間はまだ明かりがついていた。
そこからは次郎姉様と日本号さんの笑い声が聞こえてきた。よく飲むな~姉様達は・・・
あたしの自室があるのは、他の刀剣男士さん達の部屋がある本館からつながる渡り廊下からつながった離れだった
前に鶴さんに言われたように、ここは主ちゃんが女の子が来たら絶対にここに住んでもらおうと決めていたところだ
「おや?姫か」
『えっ…!?』
部屋に戻ろうとしていた時、三日月さんに会った
出来たら会いたくなかったけど・・・
『こんばんわ三日月さん、どうしたんですか?』
「…今日は美しい月が出ているからな。1人で月見酒でもしようかと思っていたところだ。お主がいるなら、共に呑まぬか?」
『えっ…いやぁ…』
「ほんの1杯ほど付き合ってくれればいい。だめか?」
どうも三日月さんはまだ慣れない
あの美しい目に魅入られてしまったら、逃げられなくなってしまうから
『…じゃあ、1杯だけ』
「…静かなところがいいからな。お主の部屋の前にしようか」
と、あたしの前をゆっくりと進んでいく
あたしは、その後を追っていく
三日月さんは、昼間の事を分かっているはずだ
でも一切触れてこない、三日月さんも気を使ってくれているのかな・・・