第5章 姫の初夜
「そら、姫…ではなく冴姫」
『はい、いただきます』
あたしの部屋の前の縁側に座って三日月さんと2人で月を見ながらお酒を飲む。三日月さんが持ってきた日本酒はかなり呑みやすいものだった
『おいしいですね、この日本酒』
「そうであろう、日本号が先日の遠征で仕入れたものでな。無理言って少し分けてもらったのだ」
『あぁ、どうりで。…あと、今日凄く綺麗な弓張月ですね』
「あぁ、酒に映える」
離れだからすごく静かで、風の音がすごく心地よく感じられた。
チラッと三日月さんを見ると、改めて美しいと思えた
月明かりに照らされて瞳も髪色も美しく輝いていた。その姿になんだか見るだけで照れてしまう
「…どうした?」
『いえ…、三日月さんって本当に御綺麗だなと思って…』
「ハハハ、俺に言わせればお主の方が美しいぞ?」
『…それは気のせいです』
「気のせいではないぞ。今だって、自身の欲を押さえるのに必死なのだから」
『えっ!?』
三日月さんの気配が変わったから、あたしは三日月さんから離れようとした。でも、お酒が思ったよりも強かったみたいで勢いよく立ち上がろうとした瞬間クラっと視界が揺れた
「…すまぬな。鶴丸なんぞに取られかけたことに年甲斐もなく腹を立ててしまってな。強硬手段を取らせてもらうぞ」
『い…いやだ』
「お主の部屋には、布団が用意されているな。」
というと、立ち上がれなくなっているあたしを抱きかかえあたしの部屋に入った。
あたしの身体をゆっくりと布団の上に寝かせると、自分が着ている一番上の着物を1枚脱ぎ始めた。
『やっ…嫌です!!』
「案ずるな、俺は優しくしてやるから」
あたしの頬をそっと撫でると、三日月さまは軽くあたしの唇に自身の唇を重ねた