第5章 姫の初夜
博多「五虎退ばっかずるかぞ。俺だってサキ姉の隣に座りたかったばい」
乱「それならボクだって!!」
厚「誰も座らねえなら俺が姉さんの隣!!」
秋田「あぁ!!厚兄さんずるいです!!」
前田「じゃんけんしましょう!!」
わぁ~・・・粟田口の方が平和的だと思ったのに、思わぬ戦争が起こってしまった。それを見かねた一期さんが、あたしのそばまで来て短刀達を鎮めてくれた
「皆さん、桜華切殿が困っていますよ。それに食事の場ですから静かにしてください」
一期さんの一声でみんなおとなしくなってしまった
結局、あたしの隣は五虎君と乱ちゃんになった
厚「姉さん!次は俺の隣に来てくれよな!!」
博多「俺の隣ばい!!」
乱「次もぼくだよね!?」
薬研「お前らいい加減にしろ…」
またケンカが始まりそうになった瞬間、光忠さんと蜂須賀さんが大きなおぼんをもってやってきた
「はい、みんな焼けたよ」
可愛らしいミトンを付けた光忠さんがみんなの前に小さな木の板を置きその上に湯気の立つお皿を置いていく
お皿の中には所々が茶色くお皿の淵の部分が沸々としている白いもの
『わぁ!グラタンだ!』
「おぉ、さすがサキちゃんよく知ってるね。」
『あたしは平成にもいたからね。主ちゃんグラタン好きなんだ』
「作れってレシピ本を押し付けられてね。思ったより簡単にできたよ。…まぁ、初めて作ったから味の保証はできないけどね」
光忠さんが出してくれたグラタンを周りのみんなは物珍しそうに見ていたけど、あたしは熱々に焼けたグラタンにフォークを刺した。・・・ってかここホントに時代感が混在してるな。先週はカレーだったし・・・
『いただきまーす!…んッ!!おいひぃ~♡』
「ふふ、君は本当においしそうにご飯を食べてくれるね。作り甲斐があってうれしいよ」
と、あたしの後ろにいた光忠さんが嬉しそうに言ってくれた
周りのみんなは熱々のグラタンに悪戦苦闘していたけど・・・