第1章 鍛刀完成 *卯月*
「よぉ、オレは土方歳三の愛刀、かっこ良くて強い最近流行りの刀、和泉守かn…」
「兼さんこと和泉守兼定です。僕は兼さんの相棒の堀川国広です。よろしくお願いします。」
「おい!!国広!!最後まで言わせろっていつも…」
『兼さんに堀川くんですね?あたしは桜華切冴姫です、よろしくです!!』
ニカッと笑って見せると、堀川君は笑顔を返してくれた
でも、兼さんはなぜかそっぽを向いて稽古に戻ってしまった
『…あたし、あの人に嫌われてるのかな…』
「いや、大丈夫だと思いますよ」
『そうかな…』
心配になり堀川くんに問いかけるが、兼さんはやっぱりこっちを見ない
加州くんが次の部屋に行くと言うからあたしは加州君について稽古場を出た。
***
彼女が出て行った後、俺は一層剣技に励んだ
なぜなら・・・
「おいおいかね…、お前ッ、どうした?」
「何が?」
曾祢さんと手合わせをしていたが、急に曾祢さんが手を止めた。はぁ~とため息をついた曾祢さんが俺に近づいてきて言った。
「お前、さっきの姉ちゃんとなんかあったか?」
「…べ、別に?」
「何じゃおんし、あいつのこと嫌いじゃか?」
なぜかその話に陸奥守も入ってきた
別に、あの女は嫌いじゃない
ただ、初めて会って初めて言葉を交わしただけなのに・・・胸が、ドキドキしている
なんというか・・・気になるというか・・・ってなんだか俺でもよく分からねえ
「お前には関係ねえだろ。オラッ、んなことより手合わせすんぞ!!来い!!」
「よっしゃ!行くぜよ!!」
と、俺は陸奥守と手合わせを始めた
でも、そんな姿を曾祢さんと国広が意味深な目で見ていることを俺は気づいていなかった