第4章 誘惑・・・? *五月*
「ッハハハ!!まさか、お前がそんなところから出てくるなんてな!」
『えっと…なんなんですか?』
「なぁに、人生には驚きが必要だと思ってな。蜂須賀達にバレない様に壁に穴開けたんだ。まぁ浦島は知っているみたいだがな」
と、笑っている鶴さん
驚きと言っても限度があるでしょうに・・・
『いやホントにびっくりしましたよ…』
「いやぁ、俺も驚いたぜ。…というかお前、何勝手にいなくなってんだよ。一緒に逃げようと思ってたのによ」
『皆さんかくれんぼの意味分かってますか?みんなで隠れたら意味ないですよね?』
「いや、みんなお前と遊びたいんだからよ。お前と一緒にいたいんだよ」
『そうですかね~。』
「現に俺はそう思ってるぜ?」
「えっ…?」
と、急に鶴さんの声色が変わったような気がして鶴さんの方を見た。
部屋の真ん中に座っていたあたしの真横に来ていた鶴さんがじっとあたしを見ている。すると、鶴さんがそっとあたしに手を伸ばしポニーテールになっているあたしの髪に触れた
『鶴さん?』
「…ホントに可愛いよな、お前」
『そんなことないですよ、あたしなんて…』
「いや…可愛いよ。こりゃみんなが惚れるのもわかるな」
『えっ!?誰が惚れ…ッ!?』
鶴さんの言葉に驚いて彼を再び見ると、髪を触っていた鶴さんの手があたしの頬に触れそれを引き寄せながら顔を近づけてきた
口元に柔らかい何かが当たった感覚を感じると、目の前にはそっと目を閉じている鶴さんの顔があった。
ようやくあたしは、鶴さんにキスされていると理解した