第2章 初内番
『へ…?』
「あっ、いや…悪ぃ。」
すぐに離れた和泉守さんだったが、その顔は想像以上に真っ赤だった。
『あの…何か…』
「いや…あの、俺別に怒ってねえよ。ただよ…あんま女と話したことなかったし、付き合い方が分かんねぇってだけで…別に嫌とかじゃ全然ねえから…」
照れ隠しのようにしどろもどろに言う和泉守さんを見て、あたしは思わずおかしくなってしまいフッと笑ってしまった
「お前今笑ったろ!?」
『だって…ッなんか、イメージ違いで…ッ!!』
「だ…だからって笑ってんじゃねえ!!」
『ッハハハ、はぁ~面白かった。じゃあ和泉守さんは、兼さんでいいですか?』
「あ…あぁ、好きにしろ」
プイっとそっぽを向いてしまった和泉守…いや、兼さんの事を見ながら、けがをした足に包帯を巻いていく
「お前、器用だな」
『まぁそうですね、あたしは嫁入りの刀なのでこういう細かいこと得意なんですよ』
「へぇ~。嫁入りってことは前の主人も女なのか?」
『そうですよ。…あまりいい思い出はないですけど…。はい、できましたよ。』
と、兼さんの質問に軽く返してようやく包帯を巻き終えた
終わりましたよ、と手入れ道具を片付けていると兼さんはゆっくりと立ち上がった
『包帯どうですか?』
「あぁ、いい感じだぜ。ありがとうな」
『いえ、無理はしないでくださいね』
「おぅ!!」
と言って兼さんはあたしの部屋を出て行った
1人になった時、出陣とかって大変なんだな~としみじみ思った。あんな強そうな皆さんでもケガしちゃうくらいなんだから・・・
そう考えたのに、あたしは一層出陣してみたいという願望が強くなった