第2章 初内番
『はい、じゃあ座ってください』
和泉守さんを強引に部屋まで引っ張ってきたあたしは、戸棚から手入れ道具を出した。
「お前、なんでそんなもん持ってんだよ」
『主ちゃんに頼まれたんだ。基本手入れは審神者の仕事だけど、あたしに遠慮してケガしたって言わない奴がたまにいるからそういうの見つけたら代わりに手入れしてやってってね。いきなり仕事舞い込んでラッキー♪はい、じゃあ和泉守さん足出して』
打粉を準備して、彼の足を持つ
和泉守さんのけがは確かに深くはないけど、でもほっといたらいけないだろう
「・・・お前さ」
『はい?』
「なんでいきなり和泉守さんになったんだ?」
『えっ?』
「いや、昨日は兼さんだったろ」
あぁ~…とごまかそうとするが和泉守さんは手入れをするあたしの手をつかんでなんでだ?と聞いてきた
『あ…あの、あたし和泉守さんに何か悪い事しました?』
「はぁ?」
『いやなんか、昨日初めてお会いした時になんか不機嫌そうだったしいきなり馴れ馴れしくされるのが嫌だったのかな…って』
「あっ!!いや別にッ!!」
恐る恐る話すと、和泉守さんは急にあたしに思いきり近づいてきた
その勢いが強すぎて触れる一歩手前くらい近くに彼の顔があった