第2章 初内番
数珠丸様達のいた裏の縁側から表の玄関に向かっていくと、何か慌ただしい音が聞こえてきた
「第一部隊帰城!!負傷者多数!!堀川と大和守、獅子王が重傷だ!!」
「すぐに手入れ部屋に連れていけ!!石切丸、岩融。あと頼むぞ。俺は主に報告してくる」
廊下の角から様子を見ると、傷だらけの皆さんとそれを介抱する人たちでごった返してした
その中で、比較的元気そうな兼さ…和泉守さんがみんなから離れて主ちゃんのところに行こうとしていた
「・・・ッ」
『あっ…』
主ちゃんのもとへ向かっている和泉守さんが、少しよろけた
それを見たあたしは不審に思って彼の後を追った
***
主ちゃんの部屋の中へ入っていった和泉守さんを待っていると、ようやく和泉守さんが中から出てきた。
その様子は、なんら変わりないがあたしは思い切って声をかけた
『和泉守さん、けがしてますよね?』
「えっ!?…あぁ、なんだお前か」
あたしの存在に気づいていなかったようでとても驚いていた
でもすぐに立ち去ろうとしているからあたしはすぐに止めた
『してますよね?足』
「…大したことねぇよ。俺よりも重傷の奴らの方が…」
『重傷じゃなくても、中傷くらいですよね?』
「・・・。」
そこまで言ってようやく和泉守さんが足を止めた
あたしは、和泉守さんに近づいて彼の手をつかんだ
「なっ!?なんだよ!!」
『嫌かもしれませんが、あたしの部屋に来てください。』
「なっ…なんでてめえの部屋に…」
『…手入れします。行きますよ!!』
と、半ば強引に和泉守を自分の部屋に引っ張っていった
途中で和泉守さんが痛ぇ!!って言ってた