第2章 初内番
『はぁ…可愛い顔してても分かんないな…』
鯰ちゃんが馬糞好き・・・ではないかもしれないけど、骨喰ちゃんが嘘着くとも思えないし・・・
うーん・・・と考えていると、本丸の裏に来ていた
裏にも縁側があり、そこに人が座っていた。いつもの三日月さんや鶯丸様がではなかった
目を閉じているその人は、長い黒髪にところどころ白が混じった綺麗な髪、出で立ちも雰囲気もすべてが美しかった
寝ていると思ったあたしは起こさないようにと、そっと前を通り過ぎることにした
「…もし」
『うぇ!?』
寝ていたと思っていたその人が突然あたしに声をかけるものだから、思わず変な声が出てしまった
「あぁ、驚かせてすまない。奇妙な歩き方をしていたものでな。」
『あ…、あぁ…えっと、寝ていると思ってそっと通ろうかと…』
「あぁ…、寝ていたわけではないが、変な気を使わせてしまい申し訳ありません。私は先ほどこの本丸に来た数珠丸恒次と申します。」
『あっ!!今日来た人…。あたしは桜華切冴姫です。よろしくです!!って、あたしも昨日来たばかりでここについて何も知らないのですが…』
「そうかですか、新人同士よろしくお願いいたします。少しお茶の相手をしていただけませぬか?」
『あっ!!はい、あたしなんかでよければ…』
と、縁側に座る数珠丸様の隣に座った
でも茶の相手をしろと言う割にお茶道具がない
すると、誰かがパタパタと音を立てて近づいてきた
「おまたせしました…。おや、桜華切さんもいらっしゃったのですか。」
音の方を見ると、走ってきたのはにっかり青江さんだった
ちゃんとお茶セットを携えていた
『にっかりさん、すみません。いきなりいて…』
「大丈夫ですよ。こんなこともあろうかと、もう1人分の用意も出来ていますから」
『あ…すみません…』
そういうとにっかりさんは、数珠丸様を中心にしてお茶の準備を始めた