第2章 初内番
『さて、どこを回ろうかな…』
静かな本丸の中を歩いていると、倉庫の比較的近くに小屋を見つけた。よく耳を澄ましていると、馬の嘶きが聞こえてきたから馬小屋だと分かった。
たしか・・・馬当番は・・・
『あ、鯰ちゃんと骨喰ちゃん。ご苦労様』
「あっ!冴姫お姉さん、お疲れ様です」
「お疲れ様…」
粟田口の脇差って言ってた2人だった
2人はブラシで馬を綺麗にしているところだったようだ
『わぁ~、ここの馬綺麗だね』
「でしょ?毎日みんなで手入れをしているからね!!」
「兄弟は、馬糞の片付けしかしてないけどね…」
「なっ!?別に馬糞だけじゃないだろ!?」
『…馬糞?』
鯰ちゃんがウマを撫でながらえへへと笑うけど、骨喰ちゃんがそんなことを言うものだから鯰ちゃんは骨喰ちゃんに怒っていた
「別に俺は馬糞ばっか集めてるわけじゃないからね!!お姉さん!!」
『あっ…うん、分かったよ…頑張ってネ』
と、あたしは必死に抗議する鯰ちゃんや頭を下げる骨喰ちゃんと別れて別の場所に行くことにした