第1章 鍛刀完成 *卯月*
「よし…全員集まったな」
長谷部が本丸にいる刀剣男子達を呼びだした
皆各々が出陣であるか、遠征であるか、新たな仲間が来るかと騒いでいた
「さて皆を呼んだのは他でもない、先ほど鍛刀した者がやってきた。」
長谷部の言葉に、その場にいた人がより騒ぎ出した
でも、長谷部はずっと難しい顔をしていた
「…長谷部君?どうしたんだい?」
「あぁ…燭台切…。」
「鍛刀…失敗したのかい?」
「いや、成功はしたんだ…。だがな…俺は…主に捨てられたのだろうか…」
『わぁ…ここが本丸ですか~』
頭を抱える長谷部の心中を察することのできない燭台切が何があったかと聞こうとした瞬間、そこにいた全員静めた
「えっ…女?」
「わぁ…綺麗だね」
本丸1番の古株、加州清光が最初に声を上げた
それに続いて彼の隣にいた大和守安定が言った
そこからみんな口々に目の前にいる女のことを話し始めた
「はい静まれ。彼…いや、彼女は懐剣より鍛刀された桜華切冴姫。彼女は、主の御友人としてこの本丸にやってきた。丁重に扱うように…。そして桜華切。」
『はい?』
「お前は確かに友人として主のおそばにいられるということだが、主のお世話係はこの俺だ。それを努々忘れるなよ」
『はーい…でも長谷部さん。友人と言うからにはお世話係ではできないことができるのですよ?一緒に出掛けたり遊んだり…お風呂入ったり一緒に寝たり…コレって役得って奴ですよね~』
「んなッ!?…貴様ァ!!叩き切られたいかーー!!!」
いきなり現れた女に完全に弄ばれている長谷部に、他のメンバーはみんな笑っていた
ただ・・・数人は、いきなり現れた美しい彼女から目が離せないでいるようだった