第1章 鍛刀完成 *卯月*
「先ほど鍛刀した刀が、そろそろできる頃だな。あの桃色の依頼札で鍛刀なされて…主は何をお考えなのだろうか…」
ここは刀剣男士達を束ねる主・・・審神者と、その審神者に仕える刀剣男士達が暮らす本丸
その本丸の審神者のお世話係である刀剣、へし切長谷部が鍛刀を行った部屋に来ていた。
時間は1時間。短刀・脇差よりも長く、打刀よりも短いことから長谷部にもどんな刀が来るか見当もついていなかった
「さて…どんな刀剣男士が…!?」
長谷部が鍛刀部屋に入るが、彼はそこに入ることができなかった
それは、今までに彼が見たことのない光景だったからだ
「お…お前は…!!」
『…お初にお目にかかります。私は、桜華切冴姫と申しますです。ニヒッ!』
そう言って長谷部に笑顔を見せたのは、刀剣男士にはない白無垢のような大きなフードのケープを身につけ、文金高島田に愛嬌毛を垂らし派手な頭飾りをつけた髪型の・・・女だった