第2章 初内番
『…んっしょ!!』
重い道具を抱えて本丸内を歩くけど、倉庫の場所が分からないからずっと右往左往していた。
こういう時に限って誰とも会わないし・・・
・・・そう思った時、人の気配を感じた
でも、周りに人の姿はない・・・
代わりにあるのは、目の前に広がる大きな木、その上に・・・いた
『あ、あの~…すみません!!』
「…なんだ」
木の上にいる人は、白い布を被った人だった
座っているその人に、倉庫の場所を聞くことにした
『あの~!!あたし、桜華切冴姫と言います!!あの、この道具を置く倉庫ってどこにありますか?』
木の上の人はあたしをじっと見た後、遠くの方を指さした
多分そっちにあるのだろうと踏んだあたしは、木の上の人に頭を下げて道具を持ち直して指さされた方に向かって歩いた
『えっと…こっちの方で…ってわぁあ!!落ちる!!』
と言った瞬間、見事に手の中の道具たちが地面に散らばった
はぁ…とため息をつきながらあたしは道具を拾う。
すると、横からあたしのとは違う手が伸びてきた。気が付くと、さっき木の上にいた人がいた
『あっ…あの』
「…手伝う」
『あっ、ありがとうございます』
この人・・・布さん?は、特に重い道具を持って歩き出した
あたしは、その場に残されていた塵取りや箒を持ってその後を追った