第2章 初内番
『ほぁ~…広いですね』
畑仕事の道具を携えてやってきたのは、多少の手入れの後が少しだけ残っているとんでもなく広い畑だった
まさに見渡す限りと言う感じだった
「カカカ!!ではさっそく…。桜華切殿はこれを」
山伏様は、普通より大きな鍬を肩にかけあたしに袋を手渡した。手にとると、シャラっという音がした
『これは?』
「夏に実る作物の種だ。拙僧が土を耕す故、お主は耕した土に種を蒔いてくれ」
『はーい、ってかあたしも耕すくらいできますよ?』
「女子にはやらせられまい、そしてこれもまた修行なり。…では」
山伏様が鍬を構えると、突然吠えた
「うぉぉおおおおお!!!唸れ!!!拙僧の筋肉!!!いざ!!!」
そう叫んだと思ったら、山伏様は見えなくらいのスピードで土を耕してく。・・・絶対重いと思うのに・・・
『山伏様すごい…。あたしはのんびり蒔くか』
と、山伏様が耕す畑に種を蒔いていく
数列蒔き終えたら、山伏様が戻ってきた
「拙僧は終わった故、手伝おうぞ」
『は…早いですね。』
「カカカ!!この程度、拙僧の手にかかれば簡単な修行と変わらぬ。では種蒔きも済ませてしまおう。終わったならば山籠もりに行くのだが、桜華切殿もどうだ?」
『あっ…遠慮します。まだ本丸内で見てないところもありますので今日も見て回ろうかと思っていたので…』
「そうか、いつでも共に参ろう!!カカカカカ!!」
種を蒔きながら大笑いする山伏様は、なんとも楽しそうだった。そんな山伏様を見ていると、こっちも楽しくなった
***
「うぬ、これで撒き終わったな。では拙僧は山籠もりに向かうことにしよう」
『ならあたしが道具片付けておきますよ。』
「むっ!?しかし、かなり重量があるが…」
『大丈夫ですよ!!女だってやればできますから!!山籠もり頑張ってください!』
「…!!では任せるとしよう。では行って参る!!」
山伏様は疾風の如き速さで山に向かって行ってしまった。
・・・なんかドッど疲れた。
あたしは、地面に散らばった鍬やスコップを持とうとした瞬間気が付いた
・・・道具を置く倉庫の場所・・・聞くの忘れた・・・。