第13章 ハグの日 *葉月*
『おぇ…』
「大丈夫かい冴姫さん」
時間移動装置の後、案の定グロッキーなあたしをにっかりさんが介抱してくれる。
「皆さん、ここが【三方ヶ原台地】です。歴史では武田信玄はここを越えず徳川軍を待っていたとあります。ですので、私たちはそこに現れるであろう時間遡行軍を叩きます」
一期さんがそう言った矢先、小烏丸様がどこか一点を見つめた。
「子らよ、おいでなさったぞ」
その言葉に、皆さんも集中力を高めた
台地の下から、猛々しい雰囲気の大群が現れた。
その中には、あたしも見慣れないやつがいた
『にっかりさん、あいつは…』
「あれは敵の薙刀だね。あいつからヤらないと…物吉君がイっちゃうね…あぁ、破壊のことだよ」
『にっかりさん…それはだめです』
と、2人で話していたら部隊の1人がいきなり刀を抜いた
「周りっくどいな。敵をぶった斬ってなんぼだろうが。俺が先陣きってやらぁ!!」
『あ!同田貫さん!!』
「まったく、せっかちな子だな。どれ…この父も本来の役割を果たそうか」
と、小烏丸様もうって出ようとするからあたしたちもそれに感化されそれぞれ刀を抜いた。物吉君はすでにカンストし極目前のにっかりさんと共に行動することになっている
「キィエエア!!」
颯爽と敵陣に向かっていた同田貫さんがさっそく例の薙刀を一撃で倒した。小烏丸様も打刀を、あたしも前は倒せなかった脇差を一撃で倒した
『おぉ!脇差倒した!!』
「お前、だいぶ刀として様になってきたな!」
戦いながら同田貫さんと話していきながら遡行軍を殲滅していく。倒し進めていくとさっきとは明らかに違う雰囲気を纏った遡行軍が現れた