第13章 ハグの日 *葉月*
***
「たった今政府からの命令が来た。時間遡行軍が現れたらしい。今回は主は締め切り間近ということで俺が代わりにお前たちを取り仕切る。」
いつもながら主ちゃんは忙しいのか長谷部が仕切っていた
みんなが集まる中には当然兼さんもいた。さっきから堀川君と何か話している見たいだけど、早々に粟田口の子達につかまったあたしはその会話を聞けなかった
「今回の出陣先は【三方ヶ原】。遡行軍は、この戦いによって敗走した徳川・織田軍を勝たせ武田軍をこの時点でなくそうとしているようだ。」
と、簡単な説明をしているとあたしのそばにいた1人が前に出た。それはあたしがまだ知らない子だった
「その出陣、ボクに行かせてください」
「…お前は確か、物吉貞宗だな。顕現したばかりである上に三方ヶ原の敵はかなり強い。顕現しにくいお前を行かせるわけには…」
「ボクは、徳川家康様に大事にしていただいた刀です。それにボクを持っていくといくさに勝てるといわれてきました。必ず皆さんのお役に立って見せます。」
彼の、物吉君はそうやって長谷部に主張するがそれでも長谷部は聞き入れなかった。
あたしは、すごく悔しそうな物吉君を見ていられなかった。
少し前の自分を見ているようだったから
『長谷部ってホント頭固いよね~いいじゃん出陣させても。』
と、わざと大きな声でそうやっていう
そうすれば、一緒に野次を飛ばしてくれる人は・・・やっぱりいる
「そうだな。新参者が1人いようが他の者が補えればいいことだ」
「折れそうになったら撤退すればいいだろうし。…ま、最もそんなことにはならねえだろうがな」
三日月さんや鶴さんはこういう時本当に助かる
絶対助け舟を出してくれるから
それを皮切りに、ほかの人たちもワーワー言い出すものだからしびれを切らしたついに声を上げた
「あぁー分かった!!俺から主に言っておく!ただし桜華切、何かあったらお前にすべての責任を負ってもらうからな!」
と、あたしを指さしてそう言うといつものごとくあみだくじが出てきた。今回はあたしも参加していいみたいだからあたしは初めてのあみだくじをした