第13章 ハグの日 *葉月*
『んで…みんなもハグ?』
「もちろん!!」
「そのためにお姉ちゃんを探してたんだから」
『はいはい…』と蛍ちゃんと愛染君をそれぞれギューっとするが明石さんは・・・
「あぁ姫、やっと自分と抱擁いてくれるんやな」
『できればお遠慮したいんですけど…』
「なんでなん…?蛍と愛染はいいのに…」
明石さんはあたしに近づいてくると、それを阻止するように蛍ちゃんたちはあたしの前にでる
「2人共独占はあかん?」
「それは国行のせいだろ?」
「俺たちのお姉ちゃんに触らないでよ」
「そんなけったいなこと言うとると…」
さういうと、明石さんは蛍ちゃんと愛染君をおもむろに抱きしめた。2人は状況が読み込めないようでとても驚いていた
「うわっ!!なにすんだよ国行!!」
「姫にハグできんなら2人にしたるわ」
と来派はいきなりイチャイチャし始めたからあたしはこっそり逃げた
逃げた表示に「あ、姫!!」という明石さんの声がしたが
あたしは無視した
***
来派と別れてからは、意外にも誰にもあわなかった
皆内番で忙しいのかと思っていたら・・・
「おっ?おまん…」
『あ、陸奥』
廊下で会ったのは、陸奥だった
陸奥は今日は非番だったはず・・・
「なんちやおまん…1人か?」
『はい、幸いなことに…』
「ほうか…。なぁ、わしもいいか?」
『あぁ…そうですよね。どうぞ』
陸奥に向かって両手を開くと陸奥はゆっくりと腕の中に入った。彼の背中をポンポン叩くと陸奥の腕のちからが強くなった
『…よし、陸奥。そろそろ…』
彼から離れようとするが陸奥はなぜか離れてくれなかった
それどころか身体を包み切ってしまうように頭肩と強く抱きしめた