第12章 好意
『光忠さん、ごちそうさまでした!!』
「うん、おそまつ様。サキちゃん随分と早いね」
『はい、今日は大浴場1番乗りできるので!』
「あぁ、この前主さんにお願いしたって言ってたね。ゆっくり入ってくるといいよ」
お皿を光忠さんに返しながらそんな話をしていると、やっぱりいろんな人たちが寄ってきた
「おや、冴姫さん。今から入浴デスか?よろしければ、ワタシも一緒に入らせていただきます」
『いや…今日は1人で入りたいので…あと村正さん、ここで脱ぐのはやめてください』
「なら、俺と共に入ろうか。」
「ほな自分と入りまひょ姫」
「なら、僕らも一緒に入ろうか。弟の…」
「膝丸だ!だがそれはならぬぞ兄者!!」
と、村正さんを筆頭に皆さんが集まってくるものだからあたしの周りにはどんどん人だかりができていく
『あの~…皆さん、今日はあたしが主ちゃんにもらったご褒美で大浴場貸し切りなんですよ?もし、入ってきたら…あたしショックで腹切っちゃうかもしれません…』
と、あたしはあからさまに悲しい顔をしてそんなことを言うと皆さんは一瞬にして黙ってしまった。あたしはそんな皆さんに『なんてね♡』と笑って見せてから
『じゃあ、行ってきます』
と、洋広間を出ていく
自室に戻って寝間着用の浴衣を持って大浴場に走っていく