第12章 好意
『わぁ、可愛いお茶菓子ですね!』
「あぁ、数珠丸とにっかりはいつもいいものをくれる。今平野が茶を持ってきてくれるからな」
『はい。…大包平様は?』
「あぁ、あいつは手合わせの間に行ったよ。今大典太と山伏が手合わせだからな」
『あぁ…嫌がってましたからね。大典太様』
と、夏の空気を感じながら鶯丸様と縁側に座る
しばらくしてから平野君がお茶セットを持ってやってきた
「鶯丸様、お姉さん。お待たせしました。今日はとても暑いので水出し緑茶にしました。」
と、水出し茶を氷の入ったグラスに入れてくれた
丁度のどが渇いていたから、それがとてもおいしかった
すると・・・
「おっ?なんじゃ、随分うまそうなものを食べゆーな」
「平野、俺等にも茶をくれ。喉乾いて仕方ねえんだ」
と、やってきたのは畑当番だった陸奥と兼さん。
あたしは、ちょっとだけ2人から距離をとる・・・だって緊張するし・・・
「あ、すみません。では新しいグラスを持ってきます。」
「あぁ別にいい。冴姫、その残りくれ」
『えっ、あ、ちょ…』
と、あたしが持っていたグラスをとって半分くらい残っていたお茶を飲んでしまった。
「ッあぁうんめえな。さんきゅ、冴姫」
と、空になってしまったグラスを渡され兼さんはそのまま行ってしまった。あぁ!!待つぜよ!!と、平野にお茶をもらっていた陸奥はそそくさと行ってしまった兼さんを追いかけて行った
「あれだけでよかったのでしょうか」
「いいんじゃないか?あ、冴姫。茶のおかわりは…?冴姫?どうした、顔が赤いぞ?」
『ふぇ!?いや、別に…!?』
と、声も裏返ってあからさまに動揺してしまった
平野君は、熱でもあるのですか?と聞いてくれたが、鶯丸様はクスクスと笑っていた