第11章 思い人
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「前田ぁ!!すまねえ!!わいのせいで~!」
「僕こそすみません、僕こそ」
浜辺に戻った前田と一期一振は待っていた仲間たちに迎えられた。大泣きしていた秋田と博多はそろって前田に抱き着いた
「お前たち、無事でよかったですがもう危ないことはしてはいけませんよ」
3人の様子を見ながら一期一振は3人に言う
すると、鶴丸が辺りを見渡して一期一振に尋ねる
「なぁ、一期。冴姫はどうした?」
「えっ!?さっきまで私について…」
「わぁ見て!あれ綺麗!!」
鶴丸と一期が話す横で他の短刀達が海の中を見ながら声を上げた。彼らが見ている先には、海に浮かぶ半透明の物体だった
「綺麗です。」
「ちょっと触ってみようぜ!」
「触ったらだめです!!それはクラゲと言って刺されたらしびれたりする毒を持ちます!!」
「えっ!?そうなんですか!?」
綺麗なそれに乱と厚が触れようとしたのを堀川が止めた
でも、堀川の話を聞いていた前田が焦ったような声を上げた
「どうしたんです?」
「僕がさっきいた沖にも同じものがいたので…触らなくてよかったと…」
「ちょっと待てよ…。冴姫が戻ってこないのって…まさかッ!!」
みんなが慌てだす中で、一人海に向かって飛び込んでいく
彼が沖に向かっていく姿を浜辺で見つめていると、彼は勢いよく海から上がった
慌てて戻ってくるその手には、彼女の姿があった