第11章 思い人
『ッはぁ!前田君大丈夫!?』
「けほっ、おっ…お姉さん!?」
『はい、もう大丈夫だよ』
「うっ…うぇえ~ん!!」
小さなペットボトルにしがみついてやっと耐えていた前田君は今度はあたしの身体にしがみついた。なんとか耐えているけどずっと泣いている前田君を抱えていると泳ぐことができない
『うわっぷッ!ヤバッ、足吊りそ…』
「桜華切殿!!」
『一期さん!』
「いっ…いち兄!!」
一期さんが泳いでくると、前田君はそっちにしがみついた
浜辺の方を見ると、秋田君と小夜ちゃんがいて2人が連れてきてくれた皆さんがいた
「グスっ、す…すみませ、僕…」
「いえ、無事でよかった。桜華切殿ありがとうございます!」
『いえ、よかったです無事で』
「では、私達も急いで戻りましょう」
と、一期さんが先に泳いでくからあたしもその後に次いで浜辺に向かって泳いでいく。前田君は安心したのか浜辺にいるみんなに手を振っている
『ぁ…!!』