第10章 初出陣 *文月*
「おかえりなさーい!!」
「お姉さんおかえりー!!」
本丸に帰ってくると、短刀の子達があたし達を出迎えてくれた
特に今剣ちゃんと乱ちゃんは誰よりも早くあたしに抱き着いてきたが、2度目のぶわぁー!のせいで酔ってしまったあたしはそれどころじゃなかった
「冴姫ちゃん、ケガしてない?」
『あぁ…うん、してらい…』
「…なんか酔ってない?」
「時間移動酔ったんだよね、こればっかりは慣れだよ」
と、沖田組が酔ったあたしを心配してくれていると長谷部を引き連れた凛華が走ってきた
「冴姫、大丈夫?」
『全然大丈夫だよ、皆さんのおかげで』
「いいえ主、今回は彼女のおかげで勝てたのだよ」
「えぇ、彼女が敵を引きつけてくれたおかげでね」
「冴姫はだいぶ強くなってるぜよ」
と、初期刀の皆さんが言うと凛華は少し困ったように笑った
「…よかった無事で」
『これからも出陣していい?』
「…考えとくよ」
『えぇー…』
と、女2人で笑っていたら凛華の後ろからパンパンと手をたたく音がした
「さて、夕餉の支度が出来たよ。今日は主の要望で和食だよ」
と、炊事当番の光忠さんが言うと皆さん一斉に和広間に向かっていく。あたしや初期刀の皆さんはとりあえず戦着から着替えるために自室に向かっていく