第10章 初出陣 *文月*
先に進んでいた5振りは、さっきよりも増えている敵に対してみんな手いっぱいのようだった。その中で、最初に敵に突っ込んでいった陸奥が一番多い敵に囲まれていた
『陸奥!!』
白無垢風ケープの袂をなびかせ今にも陸奥に切りかかろうとしてる地を這っている敵を切りつけた。さっきみたいに消し去ることはできなかったけど切ったことで少し距離をとることができた
「なんちやおんし、やっぱりなかなかできるみたいじゃのぉ」
『あたしに守るって言ったくせに』
「がはは、なんにせよ助かったぜよ!もういっぺん行くぜよ!!」
『うん!!』
他の人とも敵を次々に倒していくと、他とは明らかに雰囲気の違う敵が現れた
さっきの太刀とおしえてくれたものよりも大きくて、鬼のような面をしている
「冴姫下がって!あれは大太刀、一気にやられる可能性があるから」
と、さっきより少し髪が乱れ服に切り傷がついている加州君があたしの肩を持ち後ろへ下げさせようとしてきた
他の人たちも少しボロボロなのにその大きな敵に向かっていく。だからあたしはあえて皆さんと並んで立つ
『あたしだって、戦えます!』
そういった瞬間、「試してみろ」と言わんばかりに敵があたしめがけて大きな剣を振った。あたしは、その大きな剣の下をくぐり敵の背後に回った
その隙に敵の背中を剣で切りつける
でも、相手が強いみたいであたしの刃は掠る程度にしか効かなかった
うっかり背後に回ってしまったせいで敵の攻撃がすぐ目の前になってしまった
「冴姫!!」
加州があたしを呼ぶ
陸奥が銃を構えている。他の3振りも急いで敵に向かうがあたしに刃が届く方が早い気がした