第10章 初出陣 *文月*
敵が潜んでいるという茂みにやってくると、皆さん木の影からこそっと覗く。
すると、遠くの方でゆっくりと動く怪しい気配を纏ったものがいた。目を光らせていかにも危ない気がした。
『1体だけ緑ですね…』
「初めてで分かんないだろうけど、あれは時間遡行軍の太刀だから特に気を付けてね」
「んじゃ、まずはわしから行くぜよ!!」
「あっ!!陸奥守勝手に…」
「がははッ!!銃は剣より強し、じゃ!」
と言いながら、持っていた拳銃でまずはフヨフヨ浮いている短い剣を咥えた敵を打ち消した。
それによって敵があたし達の存在に気づき一気にこっちに向かってきた
「だから言ったのに…さ!」
「全く雅じゃないね!」
「ま、虎徹の真作にかかれば容易いがね」
「…行くぞ」
と、意外にも皆さんやる気満々で向かって行ってしまった
『あっちょ…!』
皆さん戦になると目の色を変えて向かって行ってしまったから、あたしは少し出遅れてしまった
すると、さっき陸奥が倒したのと別の浮遊する敵があたしに向かって飛んできた
『えっ!?うわぁああ!こっち来ないで…よ!!』
と、向かってくる敵をあたしは思わず躱していた
でも浮遊している相手はまた方向転換して戻ってくる
一回避けたあたしは、体制を戻し帯に刺している自分を出す
そして、敵に向かって剣を振るった。
『せぇーの!』
声を上げて勢いよく振った剣は浮遊の敵を両断しそれは奇声を発しながら黒い靄と共に消えていった
『…はぁ、初討伐だ!』
と、テンションの上がってしまったあたしは先に進んだ5振りの後を急いで追った