第10章 初出陣 *文月*
『…え?』
「おいおい主、正気か?今まで彼女を出陣には一切出さなかったのに…」
「…今までは確かに彼女は一切出さなかった。でも、さすがに彼女も人である前に刀であるからね。そう初期刀達に言われちゃったからね。まぁでも、ここでダメなら今後は一切ないからね、冴姫」
大きなため息をつくものの、最後の一言はすごくまじめな顔で言われちゃった。そんなこと言われたら、『うん』と言うしかないじゃん
「冴姫、わし達が部隊に選ばれたのはおまんを守るためじゃ。安心せい、何かあればわしが守っちゃるきな!」
『うん、ありがとう!陸奥こそあたしに守られないようにね』
なんて話していると、やっぱり長谷部に怒られた
・・・っていって絶対あいつただの八つ当たりだろ
「隊長は加州。くれぐれも冴姫にけがをさせないように。いいね?」
凛華はそういうと、あたしの元に来た
着替えを手伝ってくれるというから、あたしと一緒に部屋に入る
「んじゃ、準備しよっか」
『うん。…凛華、出陣許してくれてありがと』
「…初期刀の奴らに感謝しなよ、あいつらが出してやれっていうから。あ、あとこれ」
と、凛華に手渡されたのは青い袋のお守り
それをあたしの着ている白無垢の帯の結び目に括る
「絶対に怪我はしないでね」
『…分かった、大丈夫だよ』
と、あたしはずっと部屋に飾られていた自分自身を手に持つ