第1章 鍛刀完成 *卯月*
「うぬ、やはりお前はいい香りがする。…ただ少し先ほどより埃のにおいが…」
『あ、主ちゃんの部屋に入ったからですかね。…それより、小狐丸様…離していただけませんか?』
「私を待たせていた貸しだと思えばよい。」
「そのへんにしておけ小狐丸。」
ギュウっとハグまでしてくる小狐丸様を三日月様が止めてくれた
そこでようやく小狐丸様があたしを離した。
あたしは、小狐丸様の膝から降りると三日月様と小狐丸様の間に座った。
三日月様は、そっとお茶を出してくれた
『あ、ありがとうございます。三日月様』
「…じじいでよいと申したであろう。」
『あ、はい…。ですが、あたしは新米ですので太刀や大太刀の皆様はなるべく敬語であるべきと…』
「良いと申しておる。姫は敬語など似合わぬぞ」
姫って呼ぶのはやめてください!!と、三日月様を睨むけどハハハと笑ってお茶を飲む。
鶯丸様がくれた茶菓子とお茶を飲みながら本丸の縁側から見える夕日がとても綺麗だった