第9章 初遠征
『ちょっとちょっと膝丸何言ってんの!?あんなとこで戦闘モードになっちゃだめだよ!!』
「いや…すまない。ついお前のことを悪く言われてカッとなってしまった…」
合流したあたしたちは、次の場所に行くために移動していた
あたしはあからさまにシュンとする膝丸の手を繋いだまま移動をする
『はぁ…まぁいいけど。あんなこと、この時代は日常茶飯事だよ。普通の会話と同じくらいの頻度で言ってる』
「…この時代は、俺達の時代よりも醜いな」
『そうかもね、武器とかがない分言葉が武器になって人を傷つけたりするような時代だから』
そんな話をしながら道を歩いていると、あたし達のかなり先を歩いていた小烏丸様がまた何かを見つけあたしを呼んだ
呼ばれたあたしは皆さんに追いつこうと早歩きになったが、その拍子に歩いていた人にぶつかってしまった
『あ、ごめんなさい』
「あぁ~大丈夫だよ。でもぶつかったお詫びはしてほしいからちょっと一緒にお茶しない?」
運悪くそれは若い男の集団でそんな根も葉もないことを言ってあたしの腕を掴む。
『いえ、あたし急いでいるので…』
「えぇーじゃあ俺にぶつかったお詫びはどうしてくれるの?」
「ならその詫びは俺がしてやろう」
と、後ろからまたしても人一人なら簡単に殺せそうな面持ちの膝丸が・・・それだけじゃなく違和感を感じて近づいてきた皆さんもそばにいた
そのせいで男の人たちは皆さんを・・・特に大典太さんを見てビビって逃げて行ってしまった
「娘子大事ないか?」
『あ、はい。変なのに絡まれただけですから』
「全く、つい先ほど俺や膝丸に手を焼いていたくせにこれでは世話ないな」
『ん…すみません』
「まぁ、何もなかったんだからいいじゃねえか。次行こうぜ。次はうえの…だっけか?」
と、小烏丸様も長谷部もソハヤ様もそう言ってくれてあたしたちはそのまま次の目的地に向かう。
すると膝丸が一度離したあたしの手をまた握ってきた
『どしたの?』
「いや…こうしている方が、お互い良いと思ってな…」
『あぁそうだね、カップルっぽくていいかもね』
と言ってあたし達は道を歩き出した
膝丸がこの時顔を真っ赤にしていることに気づかずに・・・