第9章 初遠征
『わぁ…ナンパされてる』
「なんぱ…とはなんだ?」
『まぁ所謂「遊びませんか?」っていうお誘いですよ。かっこいい人とか可愛い人がよくされるんです』
と、小烏丸様に説明していると長谷部の方は早々にあたし達に近づいてきた。なぜか長谷部は勝ち誇った顔をしていた
『あ、長谷部あんたもナンパされてたよね?大丈夫だったの?』
「あぁ、「俺は主以外の女は毛ほどの興味もない。だからその醜い姿を俺の前に晒すな」と言ったら泣いて去っていったからな」
『うわ最低…』
「なっ!?そうやればよいと主の絵物語には書いてあったぞ!?」
主ちゃんどんな漫画描いてんの!?
まぁ長谷部は無事だったからよかったけど問題なのは膝丸だ
さっきから女の子に言い寄られているけどそれを断り切れずにあたふたしていた
『はぁ…仕方ないな』
あたしは、手に持っていたクレープを長谷部に持たせて膝丸の方へ歩いていく。女の子たちの間に割って入り膝丸の前に出る
『ごめんね、待った?早く行こ』
と言い、膝丸の手を握って女の子たちの間を通り抜けていく
「なんだよ彼女持ちかよ。」「彼女ブスじゃん。」なんて言う女の子たちがいるがそんな戯言は一切耳に入れず・・・
「おい、今なんて言った?」
と、急に足が止まったと思ったらあたしのことをブスと言った女の子を睨みつけ女の子の襟首を掴んだ
「今の彼女に対する無礼な発言、取り消さぬなら…」
と、完全に敵を切るような立ち振る舞いで彼の脇に刀が現れてしまいそうな面持ちだったからあたしは急いで膝丸の手を引きみんなの元へ戻って行く