第9章 初遠征
パクッ「うんめぇ!なんだこの食い物!」
『クレープですよ、原宿の女の子たちに人気で。小烏丸様の持っているそのポップコーンも人気なんですよ』
「うぬ、金平糖とは違いサクッとしていて不思議な味だな」
「・・・。」
『そのドーナツ可愛いですよね?前田君のお土産にもいいと思います!』
さっきから顔の書かれたドーナツとにらめっこをしている大典太様にも声をかける。すると、ソハヤ様からハハハッと笑われた
「冴姫はなんだかんだ兄弟に優しいな」
『そうですか?』
「あぁ、だから兄弟もそんなむくれてないで楽しめよ」
と、大典太様の方をバシバシ叩いていると、小烏丸様が辺りをキョロキョロし始めた
「どした小烏丸」
「いや、2人の子らの姿が見えぬからな」
そう言われてみると、長谷部と膝丸の姿がなかった
さっきまでいたと思ったら・・・
「ねぇヤバくなかった!?」
「ヤバかったあの2人組!超イケメンすぎた!!」
「声かければよかった~」
と、通り過ぎて行った女の子たちが話していた
あたし達はそんな女の子たちが来た方へ向かって歩いていく
すると、進む先に女の子の人だかりと頭一つ出ている膝丸を見つけた